蓮☆さとこのほにゃほにゃアート

ヤフーブログから引っ越してきました。

#ノンフィクション、エッセイ

年齢を超えて輝く人たち

昨夜、とてもいい本を読みました 英国ロイヤル・バレエ団のプリンシバルだった 吉田都さんの自著 「バレリーナ踊り続ける理由」 です↓ ◆河出書房新書のサイト http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309277691/ 幼いころから、ずーっとバレエ一筋だった吉田都…

占いにハマったら

「朴槿恵 心を操られた大統領」 という本を読んだら 金香清 文芸春秋刊 http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906157 韓国のパク・クネさんが、いつも一人で食事していて 料理長すら会えない大統領だった って書いてあった ・・・相当、さびしかった…

「行ったり来たり 僕の札束」

またまた、オモシロい本を読みました 「行ったり来たり 僕の札束」 高須 克弥 小学館 http://www.sankei.com/life/news/170107/lif1701070019-n1.html そう、「高須 クリニック」の、高須院長の書いた本です いや~・・・ビックリでしたよ ジブン、生まれて…

ダーリンは70歳

最近、家族のことで悩んでいたのですが んなもん、どうもいいやんけぇーっ たかが、家族じゃいっっ って、ぶった切ってくれたマンガ本がありました 高須クリニックの高須ドクターとマンガ家の西原さん この20才歳の差カップルのラブラブっぷりを 赤裸々な…

好きなだけ使っていいよ

最近、バタバタしてて、ほにゃ絵も描けていませんが 一冊だけ、図書館から借りてきた本を読みました 「引き出しの法則」 クスドフトシ ワニブックス です 引きこもりだった著者が、引き寄せの法則とか精神世界を学んで 「無意識」のパワーを使い、「心」 と…

自分の龍を育てよう

ブータン国王が、福島県相馬市を訪れたとき 被災した桜丘小学校の子供たちに、こんな「龍」のお話をしました 皆さんは、龍を見たことがありますか? 私はあります。王妃もありますね。 龍は何を食べて大きくなるのか知っていますか? 龍は、経験を食べて大…

猫のしっぽ カエルの手。

「猫のしっぽ カエルの手」という可愛いタイトルの、写真エッセイ集があります。 この本の著者は、イギリス人のベニシア・スタンリー・スミスさん。 ベニシアさんは、京都に住んでいるハーブ研究家ですが もともとは、イギリス貴族出身で、広大な領地の中に…

かみつきハチ〔あとがき〕

かみつきハチを読んでくださって、ありがとうございます。 この物語は、実在の人物をもとにストーリーを組み立てたものです。 この世の、すべてのひきこもりの若者と、保健所で処分される犬猫たちに、この物語を捧げます。

かみつきハチ ⑭

「もどるんだ、ワン」 < 完 >

かみつきハチ ⑬

しばらくして、ハチ公の銅像の前に、パンの耳をおいておくと、いなくなった飼い犬がもどってくる。 こんなうわさが流れた。 うわさがうわさをよんで、今では毎日、パンの耳を持ってくる人がふえ、山のようになったパンの耳が、苦情のタネになっている。 しか…

かみつきハチ ⑫

かみつきハチは、次の朝死んだ。 犬はかみつきハチが死んだあと、ぷっつりどこかへ行ってしまった。 二度と姿を見かけることは、なかった。

かみつきハチ ⑪

「・・・・!」 「・・・・!」 声にならない声。 燹 ΑΑΔかえりィッ・・・ 「あんたの、犬か」 わしは、ヘナヘナとしゃがみこんだ。 かみつきハチはふるえる両手で、犬の顔をつつみこむ。 涙でぐしゃぐしゃになった、かみつきハチの顔を、犬がペロペロなめ続…

かみつきハチ ⑩

苦しそうな息づかいの中から、しぼり出すような声で、 「・・・犬は、まだ?」 「そ、それが・・・」 と、言いかけたとき、誰かが 「おいッ! 犬だ、犬が来たぞお!」 と、叫んだ。 かみつきハチの目が、カッとひらいた。 「帰ってきた! やっと、帰ってきた…

かみつきハチ ⑨

かみつきハチは、思ったより、ずっと重い病気だった。 ボランティアの医者にみてもらったところ、もってあと2、3日という。 その医者にいわせれば、今まで生きていられたのが、不思議なくらいだそうだ。 よほどの強い信念がなければ、無理だっただろう、と…

かみつきハチ ⑧

かみつきハチだ。 ハチ公の銅像にペコリとおじきをして、新しいパンの耳をガサゴソ袋から出している。 こんなに近くで、顔を見たことはなかったが・・・ずいぶんやせて、青白い顔だ。 ヘンなせきもしてる。足元も、フラついているじゃないか。 「おい」 わし…

かみつきハチ ⑦

あの日から、もう何年にもなる。 いつしか、ホームレスの仲間うちで、若い男のことを『ハチ』とよぶようになった。 かみついたから、『かみつきハチ』。 忠犬のハチ公は、ご主人の帰りをずっと待っていたが、今度は人間が犬の帰りを待っている、と。 若い男…

かみつきハチ ⑥

次の日から、わしは犬をさがしまわった。 ホームレス仲間のツテをあたって、四方八方さがすよう、全国に伝令を出した。 わしはホームレスの世界では「オヤジ」とよばれる存在なのじゃ。 犬だろうが、人間だろうが、路上モンのことなら、路上モンにまかせろ。…

かみつきハチ ⑤

「約束しよう」 ハチ公の銅像のうしろから、鼻をつまんで、なるべく重々しい声で言った。 「あんたの犬は、必ずもどる」 若い男は、腰をぬかすほどビックリして、ズル・・・ッと後ずさった。 食い入るような目で、ハチ公の銅像を見つめている。 「必ずもどる…

かみつきハチ ④

エリート意識の高い家庭に生まれ、小さな頃から無理させられ、つらかったこと。 少年時代、唯一のなぐさめは、飼っていた犬だったこと。 受験勉強のさまたげになる、と父親が犬を保健所に連れていってしまったこと。 大人になってからも、家庭に心の平和が見…

かみつきハチ ③

それから、若い男は何日も待った。 ダンボールでつくった犬小屋の前には、いつもパン屋でもらったパンの耳をおいた。 それでも、犬は帰ってこなかった。 ある晩、「わし」はハチ公の銅像の前で、若い男がなにやらブツブツひとり言を言っているのを耳にした。…

かみつきハチ ②

若い男の歯が、保健所の職員の腕にかみついていた。 悲鳴をあげて、ふりはらおうとする保健所の職員。 たたかれてもけられても、若い男ははなさない。犬のほうへ目をむけて、しきりに逃げろ、と手ぶりで合図をおくっている。 犬は、何度も若い男のほうをふり…

かみつきハチ ①

渋谷に、かみつきハチとよばれるホームレスがいた。 まだ若い男だ。 かみつきハチは、いつも一人で行動している。誰とも口をきかない。 青ビニールを張ったテントのよこに、ダンボールでつくった犬小屋をちょこん、とおいている。 犬小屋からのびたクサリの…