ふたたび、屋根裏へ

トン、トトンッ・・・　トンッ

ま　またか　ヽ(ﾟДﾟ;)ﾉ！！

天井裏から、雨漏りの音がする

地震の揺れで、カワラがズレたのかしら

ううう、迷っているヒマはない

大雨が降ったときじゃないと、雨漏りの音しないし

点検するなら、ナウッ　いまよ ！！

脚立によじのぼって、天井裏に這いあがると

ゴホッゴホッ・・・あいかわらず、ものすごい土ぼこり

真っ暗な空間を、カンテラの光がぽぉっと照らすと

ああ・・・　あそこに、水滴のあとがある

まだ、たいしたことないけど、ちょっと濡れてる

大家さんとか、不動産屋さんに連絡しようかな

と、思っていると・・・あれ？　

はじめて屋根裏にあがったときは、怖すぎて気づかなかったけど

まんなかへんに、ワラの編んだモノがかけられてる

よ～くっ　目をこらすと、しめ飾りのような？

あ！　ボンデン

上棟式のときに、お神酒を捧げて飾るやつだわ

そのとなりの柱には、編み笠みたいなものがある

おそるおそる近づくと、目に飛びこんできたのが

　昭和４０年１０月２５日　

　大工　出川○○　

この家が建てられた日付と、大工さんの名前

ものすごく立派な墨文字で記されていました

おおお～っ

この家の誕生日は、１０月２５日だったのね

昭和４０年だったら

たしかに、築５２年　(≖╻≖;)

この家を建てたおじいちゃんが亡くなってからも

次に住んだ人が、わずか１年足らずで出て行ったあとも

このボンデンは、うすぐらい屋根裏で

ひっそりと家を守ってきたんだね・・・

なんだか、この家の守り神と出会った気がして

そーっと、ボンデンの紙幣に触れてみると

ボロッ　劣化してるので、ヒラヒラ落ちちゃう

あわわっ　やたら手を出しちゃ、アカンのね

〝いままで、守ってくれてありがとうございました

　これからも、よろしくお願いします〟

と、小さな声でつぶやいて、屋根裏を出ました

ふぅ　(´⊙ω⊙`)

アタマからつま先まで、土ぼこりだらけ

真っ暗で、ちょっとコワイんだけど

築５２年の古民家の屋根裏には

なにか、とってもやさしい

〝なにか〟が

ほっこりと、宿っている

そんな、気がします・・・

:*:.･,･ヾ(*´∀`*)ﾉ｡･:*:.･,･ｧ

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