蓮☆さとこのほにゃほにゃアート

ヤフーブログから引っ越してきました。

それは虹のようなもの


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昨日、実家の母と電話で話したとき

もう十数年前に亡くなった〝おばさん〟の話が出た

亡くなる前、何度かお見舞いに行ったりして

病室でふたりきりになって、いろんなお話をしたっけ

なつかしいなぁ・・・ と、思いながら、母に言ってみる

「そういえば、亡くなった直後、不思議なことがあったよね」

葬儀屋さんとか、いろんな人が出入りする前に、と

母がひとりで、おばさんの家に行って片づけをしていたら

勝手口の方から、〝ドン、ドン〟と、戸をたたく音がする

誰か来たのかな? 「どなたですか?」 と声をかけて

勝手口を開けてみると、誰もいない

ヘンだな? と、また片づけを続けようとすると

〝ドン、ドン〟・・・ 「ハッ」 

もしかして、義姉さん!?

母は、鳥肌が立つくらい、ビックリして

「ご先祖のみなさん、どうか義姉さんをよろしくお願いしますッ

と、仏壇に両手を合わせて、チーンと鐘をたたくと

一目散に、おばさんの家からとびだしたそうだ

「あんときゃ~、コワかったねぇ」 いまでも、しみじみ母が言う

「でもね、せっかくおばさんが、自分の家に帰って来たのに

 せめて、おかえりなさい、とか、ひと声かけられなかったの?」

「だって、コワいんだよっ。そんな余裕なかったもの」

「たしか、お母さん・・・うちのお父さんが出て来たときも」

「そうだよっ。真っ暗い影が、照明の傘の下に立ってたんだよ

 黒いかたまり っていうか・・・すぐ、電気のヒモひっぱったよ」

「それで、お父さん、消えちゃったんでしょ?

 あのね、お母さん・・・目に見えない存在になったひとが

 この世で自分の姿を現すのって、すごく大変なんだそうよ

 ものすごい集中力がいるんだって・・・せっかくガンバって

 映像化できたのに、すぐ逃げられたり、消されたり

 首絞められたとか、危害を加えられたなら別だけど

 なんにもしない、ただ、そこにいるだけなら、イイじゃないの」

「オバケは別だよっ ユーレイだもの

「私なんか、しょっちゅう、不思議なもの視てるけどね

 アレだよ、しばらくすると、フー・・・と消えてくから

 夜目が覚めると、なんか浮いてるとか、いろいろあるけど

 どんなものでも、ずーっと、そこにいることはない」

「だって、子どもの頃にも見たんだよ

 夜、廊下に3人並んでて、こっちにおいで って・・・

 死んだはずのお母さんと弟、あと真っ暗な影がひとり」

「その影は、たぶんずっと先に亡くなったお父さんでしょ? 

 親せきに里子に出されたから、心配で見に来てくれたんだよ」

「こわかったー、本当に・・・コワくてねぇ

なにを言っても、コワかった、コワかった で、聞く耳を持ってない

「そうは言うけど、ワタシだって子どもの頃に見たよ

お母さんが、夜、布団で寝てるとき、自分のカラダから

スゥ~ っと脱け出して、たんすの中に入ってくとこ」

「へえっ!?」

「ああいうの、幽体離脱っていうのよ 言ってたじゃない? 

 私生むとき、死にかけて、カラダから魂が半分ぬけた って

 それで、クセになったんじゃないの? フワフワ浮き出るの

 ちゃんと、ジブンのカラダに、おさまってないとダメよ」

「アッハハハーーーッ」 

母の大笑いは、とてもめずらしい・・・

ユーレイとか、オバケなんて

大さわぎするもんじゃないの

それは虹のようなもの

そのまんまにしておけば

自然に消えるから

ダイジョウブだよ

おっかさん!





  虹だって十五分続いたら、人はもう見向かない

                              ゲーテ

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